千代田の技術
セラミックコート・シリコンコートの非粘着機能は様々な形状や配合のお菓子を型から離れやすくする事を助けるとともに焦げ付きを防ぐ事が出来ます。
※セラミックコート・シリコンコート共に非粘着効果が落ちてきたときには再加工を施し、リフレッシュできます。
※表面処理の離型効果は万能ではなく配合によっては離型しない場合もあります。
表面処理 | 未処理 | シリコンコート | セラミックコート |
基本性能 | 基材の性能に準ずる | 耐熱220℃ 膜厚5〜10μ 非粘着性 | 耐熱230℃ 膜厚25〜30μ 非粘着性・耐蝕・耐熱・遠赤 |
加工工程 | |||
脱脂・空焼・吹付け・焼き付け硬化 | 脱脂・空焼・ブラスト・プライマー・吹付け・焼き付け硬化 | ||
空焼き | さび止め用の油を焼失させるため、常温で窯へ入れ150℃位まで徐々に熱を加え15分程空焼します | 不 要 | 不 要 |
焼きこみ | 離型油のりを良くするために220℃位で15分程油焼きを繰り返します | 基本的には不要 必要があれば未処理天板同様におこなう。シリコンの耐熱温度を超えると効果が悪くなります | 不 要 |
油塗布 | 油垂れのない離型油または固形の油を天板の冷えている時に塗布します 使い始めはやや多めに油を使用し酸化皮膜を作ります |
||
窯入れ 窯出し | 型もの焼成は下火をやや高めにしてしっかり焼くのがコツです 火傷に注意し、必ず手袋を着用してください |
||
型抜き | 暖かいうちに反転してください。金属ヘラは使用しないでください | ||
洗浄 | 油布でカラ拭き 洗浄は不可です | 油布でカラ拭きまたは洗浄(但し、直ちに乾燥が必要です) | |
再加工 | 薬剤洗浄(油脂分、炭化物、廃シリコン膜・廃テフロン膜の除去)ー空焼きー再塗布ー焼付けします 再加工は基材を傷めるため、耐久性(新品の70%程度まで)が悪くなります。そのため3回が限度と考えます |
※鉄は樹脂ではないので耐熱温度はありません。但し溶け始めるのは1500℃位、強度や体積が変わる変態点は700℃位、ブリキ(スズめっき)のスズの溶解点は約230℃です。
固定窯や手で扱うときに便利なタイプです。菓子を焼く部分に直接熱が入ります。強度がデリケートです。
※見本は表面加工が未処理です。
運行窯など大量に扱うときに便利なタイプです。ボックスの板厚がプレスタイプの50%アップで強度耐久性が優れています。
※見本はシリコンコーティングがしてあります。
デポジッター、デパンナー、洗浄機などに対応させることのできる、ヘビーデューティー仕様です。ラインに合わせ形状は変化します。
※見本はセラミックコーティングがしてあります。
焼き専用。シリコンコートに最適です。防錆・比熱がよくコストパフォーマンスに優れています。
焼き・蒸し・冷凍などすべての用途に適合します。錆をきらう場所での使用はこれ以外にありません。
焼き専用の材料板です。焼きこむ事により酸化皮膜が形成され熱伝導がよくなり特性を発揮します。
錆びにくいアルミと丈夫な鉄の長所を併せもちます。表面がアルミの白鉄色で熱反射し焼色が付きにくい。
焼き・蒸し・冷凍などすべての用途に適合します。錆をきらう場所での使用はこれ以外にありません。
油のりが良く、比熱・熱伝導が優れています。薄板は市場に流通がなく、焼き専用の厚板です。
錆(酸化) | セラミックコート | シリコンコート | その他 | |
ブリキメッキ鋼板 SPT-HD SPT-ET | △ 錆びにくい | ◎ 適している | ◎ 適している | *熱伝道・比熱・コスト共に適している *板の薄いものしかない |
ステンレススティール SUS | ◎ 錆びない | ◎ 適している | × 耐久性が無い | *熱伝導が良いので焦げ付くことがある *他に比べ高価 |
鉄(磨き鋼板) SPC-C | × 錆びる | △ 非塗装面が錆びる | × 錆びやすい | *安価 |
アルタイト At | ○ 錆びにくい | ◎ 適している | × 耐久性が無い | *深い傷が付くと錆がでることがある |
黒皮 SPH | × 錆びる | △ 非塗装面が錆びる | × 錆びやすい | *厚板で重いが、油のり・蓄熱に優れている *平天板に最適 |
千代田金属工業では多くの商品に意匠権を取得しています。
パテント商品の無断使用にご注意ください。コピー製品は販売と使用を差し止めることができます。
マークをご確認ください。
天板・MOLDに使用している基材(金属)は熱を与えることにより伸縮する特性があります。そのため急激な温度変化を与えると天板・MOLD は反りやすくなります。又、表面処理(シリコンコート・セラミックコートなど)未処理の天板・MOLD は非常に焦げ付きやすいものです。これを防ぐためには以下のことを事前に行ってください。
この時天板材に急激な温度変化を与えないようにオーブンが冷めている状態(常温)で天板を入れ 150℃位まで徐々に温度を上げ 15〜20 分程度空焼き・焼き込みをします。この作業を数回繰り返すことにより天板に熱がなじみ反りにくくなります。永く使用している天板が反らなくなるのはそのためです。また、焼き込みにより天板油のなじみが良くなり離型を助けさびを防ぐこともできます。 いつまでもきれいにお使いいただくために、毎回使用後は天板の温かい内に少量の油で焼けカス等をふき取ってください。 天板は鉄の伸縮により反るものですから、反ってしまった天板はプラスティックハンマーや木槌で縮んだ所をたたき出す事により反りを防ぐことが出来ます。天板の空焼き・焼き込み・反り取りは何回も経験を積むことにより養われる勘と経験が必要なので上記を参考にしてご自分の温度・時間などを割り出してください。
シリコン・セラミックコートなどの表面処理は、適切な使用方法によりその効果を発揮します。元来、糖分や卵黄の含有率の高い製品は離型が困難とされ、万能と思われているフッ素樹脂加工においても離型性は極端に落ちます。また生地も種類、原料、加工法、天候、従事者等により千差万別で、その全てに合わせてコーティングの性能を変化させることは不可能です。従ってシリコン・セラミックコートはある程度離型油の助けを得ることにより最も効果を発揮するといえます。CHIYODA の MOLD はフッ素樹脂加工(テフロン)の弱点を克服するために開発された CHIYODA オリジナル商品『セラミックコート』と安価な『シリコンコート』を採用しています。表面処理のされている製品の基本的な使用方法は下記の通りです。
セラミックコートとシリコンコートは性能である非粘着性を応用して離型補助の為の表面処理に使われています。よく質問がある性能の違いを表してみます。